お金を借りる事は悪い事?
お金を借りる事は、一概に悪いことではありません。例えば、事業を起こしたり規模を拡大するときの先行投資としてお金を借りる事とは将来への投資とも言えます。その結果借りたお金以上の利益を生み出すことができれば、お金を借りた事は間違いではなかったということになります。また、奨学金のように無利息でお金を借りることができる制度もあります。大学時代は特に、集中して出費が重なりますが、貯蓄が足りないからといって子供の将来の可能性を狭めることにならないという点でもありがたい制度です。多くの人が利用する住宅ローンも、金利が低い上に所得税の控除もありますので、人によっては大きな節税になります。建築費全額を貯めるまで賃貸で家賃を払い続けることを考えれば、住宅ローンで早めに家を建て、家賃分を返済に充てるということは合理的です。このように、良い意味でのお金を借りる事とは、将来への投資になり得る借り方ともいえます。借金に対するマイナスイメージが強いのは、このような有効な借り方ではなく、後先を考えない借り方をするケースが多いからです。悪いお金の借り方とは、使用目的が浪費であったり返せなくなるほど金利が高いところからの長期の借入れであったり、返済の先延ばし目的での借入れなどです。これらはお金を借りることによって利益を生み出すことは到底見込めず、負債総額が増えていくのが目に見えている典型的なケースです。ギャンブル好きの人は、よく「この現金を何倍にもする」と豪語しますが、ギャンブルは確実な資産運用とは違い、非常に波があります。従って、元手がない人は始めから増やす原資がないと諦め、自分で自由に使える小遣いの範囲内で行うのが健全な考え方です。借金体質の人は、この良いお金の借り方と悪いお金の借り方の区別がついていないことが多く、管理がルーズで残債務を把握していない人も少なくありません。借金はいずれ返さなければならないものだと自覚することが大切です。